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*CNCマシンの制作記録は2016/04/10〜の投稿に書いてあります。


2016年6月3日金曜日

CNCマシン:レーザーシールドの改良

先月レーザーモジュール用にABS樹脂でシールドをつくりました(記事はこちら)が、それを改良しました。まずは結果から。
こんな感じです。赤いレーザーシールドを下部に付けました。これで照射している部分が見えます。左隣のレーザー用ゴーグルと同じ材質です。
前回までのシールドはただの黒いボックスでした(以下)。

前回の状態でもレーザー光が外にはみでなくなったのでよかったのですが、照射部分がよく見えないという問題がありました(見ないほうがいいのですが)。その後もレーザー防護アクリルを探してみましたが、300mm角で1万円以上するとか、Ebayやアメリカのショップで安いものも見つけましたが、送料が高すぎて300mm角程度でも合計で8000円くらいになってしまいます(トラブル防止のためトラッキングありの配送方法となってしまうらしく、配送代だけで6000円以上となってしまう)。
AliExpressでも安いレーザーシールド(海外ではLaser Safety Windowなどと呼ばれている)は売っていなくて、しかも5mm厚のものがハガキサイズ(100x150mm)でも4000〜5000円くらいします。ということで諦めていたのですが、AliExpressだとレーザーゴーグルは安い(一個160円くらい/専用ケースなしの場合)ので、それを改造してシールドをつくってみようかなと。いままでつかっていたゴーグルと同じものですが、さらに2個注文しておきました。合計で320円送料無料です。

「レーザーシールドの制作」
材料の準備:
まずは材料となるレーザーゴーグルを2組用意します(もったいなさそうだけど、2組で320円くらいなので)。普段使っているゴーグルは同じものですがもう一個別にあります。
そもそもこの値段から単なる赤いアクリルや塩ビかもしれないですが、一応レーザー用として売られているので少しはましかと。
ゴーグルの右目と左目の部分から材料を切り出します。
模型用のノコギリがいいかもしれません。刃が細かくて切りやすいです。プロクソンのテーブルソーもあるのですが、割れてしまうかもしれないのであえて手作業で。
こんな感じ↑でフレームから外したゴーグルをまずはまっぷたつに。
鼻にかかる部分やゴーグルのサイド部分が折れ曲がっているので切り落としてしまいます。必要なのは一番面積の大きい目にかかる部分です。同じようにもう一方も切ってしまいます。このゴーグルはアクリルではなくて、おそらく塩ビだと思います。完全に切れてない部分を手で折り曲げてみたらアクリルならパキッと割れるはずなのにぐにゃりと折れ曲がったので。

材料の熱加工:
切りとったゴーグルは湾曲しているので、熱で平らに加工します。
ヒートガン(なければドライヤーでもいいかもしれません)とクッキングシート(両面テフロン加工済み)を用意します。クッキングシートは100均で売っていると思います。幅30cmで耐熱250度のものでした。
こんな感じでクッキングシートに材料をのせて熱します。この熱する加減が難しいので注意して下さい。熱しすぎないように。このとき、クッキングシートをやや大きめに切っておいて、半分に折れるようにしておきます。熱すると柔らかくなるし手で触ると熱すぎるので、クッキングシートを折って材料をはさんだ状態でひっくり返して両面熱します。
これ↑は、表面の温度を計測できる赤外線温度計です。これがあると便利なのですが、温度が120度くらいで熱するといい感じだと思います。やってみて分かりましたが、150度を超えると溶け過ぎてしまいます。
熱しすぎると溶け始めてきて、このように↑気泡のようなものが表面にでてきます。材料の表面の変化をよく観察しながら熱したほうがいいです。
ある程度熱したら、クッキングシートを折って上からアイロンで押しつけます。アイロンの温度も120度くらいがいいと思います。このアイロンの場合、中温で150度くらいだったので、それ以下という感じ。低温でもいいかもしれません。最初アイロンを動かさないで10秒くらい強く押し付けて、少し温度を下げていくといいかもしれません。一度確認して、まだ材料の湾曲がとれていなければ、またヒートガンで熱する感じ。それの繰り返しで両面やるといいと思います。必要以上に温度を上げてしまうと溶けてしまうので120度くらいを目安に。
注意しなければいけないことは、温度もそうですが、アイロンのスチーム噴出口の部分で押し付けないように。ボコボコになってしまいます。平らな部分で押し付けてください。
何回か繰り返して、ようやく平らになりました。
湾曲している部分を向き合わせて重ねてみて隙間ができなければ平らになっています。

そんな感じで合計4枚平らにしました。

材料を寸法に合わせてカット&サンディング:
つぎに平らになった材料を必要な寸法に製材します。キズがつかないように両面をマスキングテープで養生しておきます。余分なところを模型用ノコギリで切り落として、だいたい正方形にします。一枚から42mm角くらいの材料がとれる感じでした。厚さは2mmちょっと。
平行や直角はサンドペーパーを使って調整します。#100で削りとって、#240で細かな調整という感じです。大体かたちが整ったあたりで、ノギスで4辺を計測して書き込んでおきます。今回は37mm幅のものと41mm幅の2種類必要なので、大きいものは41mm幅の材料にします。
レーザーカッターで切ればいいかもしれませんが、塩化ビニール系は有毒なガス(黒煙/ダイオキシン、あるいは塩素など)が発生するようなのでやめておいたほうがいいです。

接着作業:
つぎに、かたちが整った材料を接着するわけですが、材質に合わせて接着剤を選ばないといけません。万能そうな瞬間接着剤を使ってもいいのですが、できれば溶着させたいということから、持っている接着剤を使って材料の破片にいろいろ試してみました。まずはABS樹脂用接着剤(プラモデルの樹脂用)。やっぱりくっつきません。アクリルっぽくはなかったので、塩ビ用接着剤を試してみました。

上画像手前にある端材で接着してみて確かめました。ちゃんとくっついていました。いわゆる溶着という状態です。ということから塩ビ用接着剤で大丈夫そうです。材料が限られているので一応慎重に進めています。
あとは材料をミニクランプで固定しつつ直角も出しておいた状態で接着剤を角に流し込みます。アクリル接着と同じように、サラサラした液体接着剤なので隙間に流し込むような感じです。量が多いと流れだしてしまうので、かなり少なめで充分です。足りなければまた後で流し込めばいいので、とりあえず仮止め的な感じでほんのちょっとだけ隙間に流し込みます。

接着剤が多すぎて裏側まで流れでてしまった結果、こんな感じで表面が汚くなってしまいます。
適量(少なめ)ならこのようにはみ出ません。完成した後からでも再度接着剤を流し込めばいいので、できるだけ少なめで。
溶着なのですぐには固まりません。この状態からでも角を見て、ずれていそうならグイっと力任せにずらせます。そんな感じで少し調整し、再度角に接着剤を流しこんでおきます。30分もすれば固まっていると思うので、またサンドペーパーなどでバリを取ったり調整してもいいと思います。
こんな感じで前回のレーザーシールドにはまるので、この状態で接着剤が固まるまで放置します。


前回のレーザーシールドのカット:
今回つくった赤いレーザーシールドは前回の黒いレーザーシールドの上にかぶせるのですが、このままだと黒いレーザーシールドが長いので短くカットします。
黒いシールドのほうは、焦点距離から5mm短いサイズとなっているので、赤いレーザーシールドの位置も合わせておきます。そうすると黒い表面に書いてある線のあたりで切ってしまうとちょうどよさそうです。重なる部分が1cmくらいあります。


完成:
黒いレーザーシールドを短くして、その部分に今回の赤いレーザーシールドをかぶせて完成です。
とりあえずようやくこれで、レーザー光を確認できるようになりました。ちょっと手間はかかってしまいましたが、安くつくることが出来たのでよかったです。塩ビ用接着剤は持っていたので、材料費はレーザーゴーグル2組320円とクッキングシート108円という感じです。これも安いAliExpressのおかげです。
まだレーザーを照射して実験してませんが、あとから画像を追加しておきます。

追記:
フェルト(厚み1mm)を切断中。材料と赤いレーザーシールドとは2~3mm程度のすきまがあります。



今回つかった塩ビ用接着剤はホームセンターなどで600円くらいすると思うので、

アクリサンデー サンデーシート 硬質塩ビ板用接着剤 25ml 注入器付
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もっと安い塩ビ用接着剤をAmazonで調べてみると、

セメダイン 塩ビパイプ用 接着剤 30ml CA-123
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(2017年6月17日23時59分時点の価格)
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これは安そうですが、おそらく塩ビ水道管用で、少しドロドロしていると思います。流し込むというよりは塗る感じです。塩ビ用なので溶着はするとは思います。

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