grbl1.1+Arduino CNCシールドV3.5+bCNCを使用中。
BluetoothモジュールおよびbCNCのPendant機能でスマホからもワイヤレス操作可能。
その他、電子工作・プログラミング、機械学習などもやっています。
MacとUbuntuを使用。

CNCマシン全般について:
国内レーザー加工機と中国製レーザー加工機の比較
中国製レーザーダイオードについて
CNCミリングマシンとCNCルーターマシンいろいろ
その他:
利用例や付加機能など:
CNCルーター関係:



*CNCマシンの制作記録は2016/04/10〜の投稿に書いてあります。


2016年5月8日日曜日

CNCマシン:スイッチパネルの制作

まだCNCマシンのスイッチパネル/スイッチボックスは出来ていないので、昨日また秋葉原に行って必要な端子類など買ってきました。
Z軸の真下あたりに照明もつけようと、ためしにテープ状のLED(一番上)も買ってみました(使うかどうかわからないけど)。画像左中にもLED照明がありますが、これは昔買ったもので、こっちをつかうかもしれません。ピンソケットとピンプラグはプローブ用。それからステッピングモータードライバ用のファン。電源用ソケットとプラグ付きコード(この辺も探したら持っていた)。
だいたいこの部品を取り付ける感じ。

現状はこんな↑感じ。CNCシールド、レーザードライバ、DC24V電源、DC12V電源が一直線線に並んでいる。
この上にもう一枚板のせる感じです。

上面の板は、ここまでは出来ています。AliExpressで買った非常停止ボタン(139円送料無料)も届いたので取り付けてみました。普通に取り付けるなら径22mmの穴をあけるのですが、この板が15mmもあるので、上から径30mmのフォスナービットでザグリをいれて、さらに26mmで貫通穴をあけて、段つきの穴にして取り付けました。そうしないと上から締め付けるギザギザナットがスイッチ本体のネジ山まで届かない。
縦に3個ならんでいるスイッチはLEDで光るタイプ。手前が主電源用(AC100VをON/OFF)。真ん中がLED照明用。奥がレーザー用。
あとは、先ほどのプローブ用ピンソケット、電源用ソケット、ファンが側面につく感じです。LED付きスイッチもあるし、けっこう配線が面倒かも。

秋月や千石のある通りに、二軒ほどLED屋があるので(いつのまにかできていた)ちょっとのぞいてみました。Z軸真下につけるLEDでちょうどいいのがないかと。そうするとリング状のLEDを発見。しかし、2個セットで3000円以上する。高すぎる。径60mm、70mm、80mm、90mmなど、ちょうどトリマを囲むように配置できそう。
あとからAliExpressにも売ってないかなと思って、「LED ring」で検索したらやっぱりでてきた。
2個セットで591円。これに透明カバーがついたものとか、LED部分がもう少し強力そうなものとか何種類かあるけど、このタイプが比較的安い。明るさはどのくらいなのかわからない。大きさも径60〜120mmまで10mm単位でいろいろあるみたい。DC12V仕様。
AliExpress.com Product - COB! 2Pieces(1pair) Auto Halo Rings COB 70MM Angel Eye COB Chips Car Headlight 70mm Car Angel Eyes Motorcycle White Waterproof2個で591円

これは何用なのかと思ったら、自動車のヘッドライトの周囲につけるアクセサリー照明らしい。この大きさはこの車種に適合しているとかたまに説明が書いてあり、サンプル写真ものっていた。
これ↑が正規の利用法らしい。自動車用だからDC12V仕様だったのかと。

いずれにしても、サイズや種類も豊富なのでトリマのサイズにあわせて一個買ってみようかと。
ただトリマの場合、集塵カバーも取り付くので、LED照明を取り付ける部分がなかなかない。集塵カバーにLEDを内蔵してしまえばいいのかもしれないけど、どうしようかな?いずれ集塵用カバーも作り直そうと思うのでそのときにでもまた考えます。


作業のつづき:
その後かなり時間かかりましたが、一応配線終了。LED付きスイッチのLEDがスイッチのON/OFFに連動するのかと思ったらそうではなくて3個分配線やり直しました。全体的に相当面倒な配線でした。
接点がむき出しにならないように、熱収縮チューブとホットボンドも使いました。こんな感じで開けることができるように線を少し長めにしました。けっこう隙間なく詰まっています。
CNCマシンの脇に置くとこんな感じです。まだ側面の板はつけてませんが、一応すっきりしたと思います。LED照明はまだつけていませんが、スイッチ(真ん中)には配線済みなので、LED照明をZ軸裏の端子につなげばON/OFF可能です。予備用にもう一回路あるのですが、それもZ軸裏までは配線済みです。何に使うかは未定です。

まだ上板も固定はしていないのでちょっとずれてのっています。全面はパンチングメタルで、ここから空気が入り込んで右脇にあるクーリングファンから排気されます。パンチングメタル上の左上にあるピンプラグがプローブ用の端子です。プローブを使うときだけここに差し込みます。非常停止ボタンは、CNCシールドのP-Stop端子(E-Stop端子)につないでありますが、まだ試していません。3個ならんでいる一番手前のスイッチが主電源ON/OFFで、これをOFFにするとAC100Vが遮断されるために、モーターやレーザーなども同時にOFFになってしまいます。CNCシールド(Arduinoボード)だけはMacBookにUSB接続するために電源が落ちるということはありません。非常停止ボタンはおそらくArduinoボードのリセットボタンと同じなのかもしれませんが、その場合モーターはOFFになるにしても、レーザーはOFFにならないので、その辺が気になります。ということから、主電源OFFが非常停止になるのかもしれません。

Shapeoko wikiを見てみると、E-Stopには、AC BreakerとDigital Breakerの二種類あると書いてありました。
AC Breakerは、もともとのAC電源を切る方法。
Digital Breakerは、Arduinoに信号を送ってマシン自体(ステッピングモーター)を止める。しかし、スピンドルは別なので、Sparkfunで売っているPowerSwitch Tail Ⅱと連動させればスピンドルも止めることができるようです。
こんな感じのもの↑($28.95)。
本体に端子がついていて、E-Stopを押すとPowerSwitch Tail Ⅱに信号が送られてAC電源も切ってしまうようです。たしかに便利というか安全そうです。


さらに作業のつづき(スイッチパネル完成):
ようやく完成。というか側面の板を貼っただけです。なぜか手ノコと穴あけはカッターで作業(このほうが早い)。

側面にUSB端子とクーリングファンがついています。右側2/3は電源類が入っているので簡単な通気口をあけておきました。
前面にあるピンソケットにプローブ用ピンプラグを差しこんであります。前面のパンチングメタルから空気が入ってクーリングファンにより排気されます。主にCNCシールドのステッピングモータードライバDRV8825(4個)とレーザー用ドライバを冷却します。コントロールパネル(コントロールボックス)はすべてネジ止めで組み立てられているので、故障や機能を付け足すときは分解することができます。とにかく配線がとても面倒でした。

あと残っている作業は、スピンドル下のLED照明(集塵カバーも兼ねて)、レーザーシールドの取り付けくらいでしょうか。レーザーシールドについては、現在問い合わせている段階です。レーザー遮蔽アクリルでレーザーダイオードの真下を箱状に囲いたいと思っています。内寸で32.5x32.5x50mmくらい。最悪一面だけレーザー遮蔽アクリルにして、残り3面は普通の不透明アクリル(黒など)でもいいかもしれません。それまでは、かわりになる不透明な箱をつけてみようかと思ってます。

2016年5月7日土曜日

CNCマシン:ブラシレスモータースピンドル+ER11コレット

現在マキタのトリマ(350W)を木工用スピンドルとして使っていますが、そのうちアルミなども加工することを考えてブラシレスモータースピンドルを購入しようかと考えています。そうすると大体以下のようなもの(いつものAliExpressより)。
air cooled 400W Spindle Motor 48VDC ER11 collect + Mount Braket Holder + Power Supply + brushless spindle driver

Spindle: brushless DC Motor
Voltage: 12-48VDC
Power: 400W
Speed: 12000rpm/min
Diameter: 55mm
length: 172mm
Cooling type: air cooled
Net. weight: 1.1kgs


Power supply:
power: 400w
voltage; 48VDC
Current: 7.5A
Size: 215mmx115mmx50mm
Net weight: 0.95kgs

Brushless spindle driver;
Model: HX-WS400
Voltage: DC18V-DC52V
Current: 10A

Power supply:
Power: 400w
Voltage: DC48V
Input voltage: AC110V/220V 50/60HZ
Net. weight: 0.9kgs
size: 215x115x50mm

Clamp: D52mm

ブラシレスなのでドライバが必要。そしてDC48V電源も。それからスピンドルマウントも変えないといけません。ということでこれら全部が必要。
さらには、ER11コレットもいくつか必要。おそらく3mm、1/8インチ、6mm、1/4インチなどmmとインチの両方あると良さそうです。



コレットはこんな感じのセットでいいのかもしれない(1632円送料無料)。
ERコレットシステムとは、スイスのREGO-FIX社が開発した片側に8度テーパーのついたコレットチャックらしい。下の図のように、斜めに入れてカチッと装着するようです。同様に押して斜めにしてから外すようです。おそらく上記のコレットセットはクローンだとは思いますが。


必ずしも、上記のブラシレスモータースピンドルセットが安いというわけでなく、もう少し探してみると(それぞれ別々に買うと)、
・ブラシレスモータースピンドル+ドライバ(12447円
・DC48V/8.3A電源(3011円
・スピンドルマウント/径55mm(2543円
合計18,001円。ということで、別々に買った方が安い。
しかも電源DC48Vはセットのものだと7.5A、単品で8.3A。ひとつ疑問なのは、セットの中でブラシレスモーターの径が55mmなのに、マウントの径が52mmになっているということ。この辺もショップに確認してから購入したほうがいい。というより、セットよりもバラ買いのほうが安いので、このセットは買わないと思う。
いずれにしても、ER11コレットも含め約2万円というところでしょうか。
いまのところマキタのトリマで間に合わせて、必要応じてそのうち購入しようかと思います。


AliExpress.com Product - 600W CNC Brushless DC Motor Driver + 400W Spindle Motor For Engraving Machineこんなセット(10671円/送料込み)もあります。400Wブラシレスでドライバつきなら安いかも。

2016年5月5日木曜日

CNCマシン:中国製レーザーモジュールについて(まとめ)

レーザーの実験も終わったところなので、いままでのことをまとめておきます。

今回の自作CNCマシンでは、5.5W、12Vのレーザーモジュール(レーザーダイオード)を使っています。この手のレーザー加工機用のモジュールはEbayでも入手できますが、AliExpressで入手するのがほとんどでしょう。AliExpress内で「5.5w laser」や「5500mw laser」で検索すれば出てきます。
見た目はこんな感じのもので、レーザーモジュール本体、ドライバ基板(中央)、ACアダプターの3点セットになっています。もちろんマニュアルなし。Air Mail便で2週間前後で届きます。

AliExpress.com Product - 5.5w blue laser module high power focusing laser engraving and cutting TTL module 500mw/ 2500mw/5500mw laser tube+ gogglesAliExpress.com Product - 5500MW laser engraving machine 5W high power laser modules focusing head point wavelength 450m12v
ちなみに、これ↑は、5500mwのレーザーモジュール(6,757円)。たまに安いのがあります。

注意事項として:
購入する際も、一応内容のチェックをしたほうがいいです(メールやチャットで)。ドライバ基板はついてくるのか?ACアダプターは何V対応なのか?焦点距離はアジャスタブルかもしれないけど、大体どのくらいなのか?もし壊れていた場合返却できるのか?など。
マニュアルはないので、すぐに接続して試す前に、それぞれをテスターなどでチェックしたほうがいいです。ACアダプターの極性や電圧をチェックしてから、ドライバ基板に接続(このときまだレーザーモジュール本体はつながないほうがいいかも)。当然レーザー用ゴーグルも必要。ドライバ基板の各端子の極性や出力電圧チェック。配線の色が逆になっていることもあるので、それも確認するなど。レーザーを接続する場合も、異臭や異音を感じたら、すぐに電源OFFできるように身構えておく。燃えやすいものが近くにないかどうか。使用前と使用後の異常を確かめるためにも、最初にカメラで撮影しておくといいと思います。

出力と値段:
この種類、メーカーはどこのものなのか分かりませんが、0.3W、0.5W、1W、2W、2.5W、3W、4W、5W、5.5W、8W、10W、12W、15W、17W、20Wのバリエーションがあるようです。5.5Wで1万円前後、20Wで2万円前後という感じでしょうか。ショップによっても値段がかなり違いますが、画像は同じものを転用しています。購入するときはメールやチャットで内容を確認したほうがいいでしょう。


AliExpress.com Product - Blue Laser 15W Laser Engraving Machine Focusable High Power Laser Module 450nm TTL/Analog with Power Supply CNC Engraver Cutterダイオードレーザーではかなり強力な15Wレーザーモジュール。18,509円(送料込み)

17Wで33,576円(送料込み)。

また最近(2019年)では、以下のようなセットもありました。以前に比べるとかなり安くなってきました。

AliExpress.com Product - Powerful 20W 450nm blue laser module DIY laser head for Master Series CNC laser engraving machine Accessory with Wrench20W ダイオードレーザーCNCマシン、21,140円(送料込み)


レーザー加工機としてどのくらいのW数がいいか?:
国内のSmart DIYsの「FABOOL Laser mini」は1.6Wのようで、3Wにも拡張できるようです。おそらく、一度手にするともっと出力数の高いものが欲しくなってくると思います。1.6Wで柔らかい木材2mm切断できるらしいです。5.5Wで4〜5mmくらいでしょうか。アクリル板も切りたいと思うかもしれませんが、この手のダイオードレーザーだと透明アクリルは光を透過してしまって切れないようです(黒いアクリルなら可能)。もし分厚いアクリルも切りたいのであれば、Smart DIYsの「Smart Laser CO2」などの40Wクラスになってしまうでしょう。透明アクリルでも10mmまで切れるようです。ただし248,000円(税抜き)とかなり高額になってしまいます。中国製の40W/CO2レーザーであれば8万円前後で買えますが、電源やソフトなど改良する必要があるかもしれません。

AliExpress.com Product - 40w co2 3020 laser engraving machine,3020 laser cutting machine,engrave size 30*20cm support CorelDRAW output
中国製CO2レーザー40Wなら、こんな感じ↑(約68000円/送料込み)。これなら透明アクリルも切れるはずです。


ルーター、ミリングマシンという選択:
今回CNCマシンを制作するにあたりそんなことを考えましたが、やはり20万円以上も費やすのは高いかなと。分厚いアクリルなどを切るならルーターやミリングマシンで切った方がいいんじゃないかと。そうすれば、アルミなどの金属加工もできるし、レーザーとミリングの使い分けがいいのではないかと。
レーザー加工機の場合は、基本的にXY軸だけで済むし切断する材料から切削抵抗も受けないので、それほど剛性のある構造にしなくてもいいのですが、ルーター/ミリングマシンの場合は剛性をあげないと切削抵抗に耐えられなくなってしまいます。なので、レーザー加工機をルーターマシンに転用することはできませんが、その逆は可能なので、CNCルーターマシンをつくるという前提のほうがよさそうです。
もし自作しないのであれば、「Shapeoko3」や「X-CARVE」のような$1000くらいのXYZ軸の3軸CNCマシンを購入して、そのヘッドにレーザーモジュールを買い足せば15万円くらいで両方使えるようになると思います。当然自作すれば10万円以下で両方が可能になるはずです。
ミリングマシンであれば、基板制作も可能になるというメリットもあります。
ということから、レーザーの場合は例え5万円前後の10Wダイオードレーザーを装備したとしても、値段の割にはあまり大した物は切れないので、あくまで薄い素材を切るか、切るというよりも表面刻印加工用として考えたほうがいいかもしれません。どうしても分厚いアクリルなどをレーザーできれいに切りたいというのならCO2レーザーになってしまうと思います。

レーザー加工機を自作する場合:
ミリングは必要なく、レーザーだけでいいのであれば、3万円もあれば作業エリア500mm角くらいのものをつくることができると思います。何Wのレーザーにするかでコストが変わるので、レーザーモジュールを除いた部分(XY軸の2軸CNCマシン)だけであれば2万円くらいでつくれると思います。
必要なのは:
モーター:ステッピングモーターNEMA17クラス2個
送り機構:2GTタイミングベルト+タイミングプーリー
直動機構(構造フレームも兼ねる):V-slot Rail+solid V-wheel
制御:Arduino+ステッピングモータードライバ
その他:配線材料、ネジ類、ブラケット、リミットスイッチなど
しかし、AliExpressで2万円くらいで2Wレーザーカッターキットが買えるので、それをベースに改造したほうが早いかもしれません。Arduinoで動くものが多いので、Arduinoが使えるのであれば特に問題ないと思います。付随のソフトに問題があるのであれば、オープンソースのgrblやUniversal G-Code Senderを使えばいいと思います。自作についてはソフトとハードともに、Shapeoko wikiReprap wikiなどから充分情報が手に入ると思います。

AliExpress.com Product - benbox 2000mw laser engraving machine cutting maching laser engraver big working area 65*50cm support laser power adjust2Wレーザー加工機、21,671円(送料込み)

ダイオードレーザーモジュールの構成:
CO2レーザーはあきらめるとして(かわりにミリング加工する)、それでもレーザーでしか切ることができない柔らかい素材や刻印加工もあるので、一概にダイオードレーザが使い物にならないというわけでもありません。レーザーモジュールを買うなら、上画像にあるようにTTL端子のついたドライバが付属しているか確認したほうがいいと思います。

以下はダイオードレーザー用のTTLドライバ単品。

AliExpress.com Product - TTL driver board,laser driver board 2879円(送料込み)



こんな感じで↑、ドライバ基板にTTL端子がついています。ここにArduinoなどのマイコンをつなげばレーザーの可変出力を可能にします。何もつながなければ、手動によるON/OFF制御になってしまいます(具体的な配線についてはこちらへ)。

ドライバ基板は全体的にはこんな感じになっています。大きさは幅50mm、奥行き30mm、高さ25mm程度。右上が先ほどのTTL端子+-、その下の赤黒ケーブルがついている端子が電源DC12V端子、左側にLD+-端子(レーザー本体につなぐ)、その下がFAN+-端子(レーザー本体につけるDC12V用クーリングファン)。LD端子+からは約5.5Vが出ていました。

左に見えるのが付属のACアダプター、INPUT:AC100〜240V 50/60Hz DC12V 2A。レーザー本体は、32.5x32.5x65mmくらいの大きさです。先端と反対部分にファンがついており、ケーブルも別です。回路も含めてレーザー本体は、ほとんどが黒塗りのアルミ製ヒートシンクで囲われており、中心に円筒状(径18mm)になって入っています。
この状態で電源をつなげばすぐにレーザーは使えますが、いきなり最大出力がでるので注意しないといけません。
そのために、レーザー防護用ゴーグルが必要になります。

レーザー防護対策:
レーザーの安全基準(オムロン)を見てみると、大抵のレーザ加工機の場合は最も危険なクラス4に入ると思います。なので一度読んでおくといいと思います。
レーザ用ゴーグルなどがないと目に損傷を与えてしまうので、もし複数の人数で作業している場合は全員着用する必要があると思います。できるだけ見ないように注意しても、予期せぬ反射光が目に入って来たり、ゴーグルを着用していても頭をちょっと動かした際にゴーグルと顔との隙間から光が入ってくることもあります。当然、何も防護していない他の人やペット類がいるような場所での作業は控えた方がいいと思います。
個人的な経験ですが、レーザーの焦点実験などしていると、レーザーゴーグルをつけているにもかかわらず、なんとなく目が疲れたような感じになります。顔もなんとなく日焼けしたような感触を得ます。それだけレーザーの反射光を顔に浴びているということだと思います。

国内の防護ゴーグルを購入しようとすると2〜3万円くらいします。

リケン レーザー保護メガネCO2レーザー RSX4CO2
理研オプテック
定価 ¥21,600
Amazonで詳細を見る

安いものであれば、

BOSCH(ボッシュ) レーザーメガネ BL-GLASS
ボッシュ(BOSCH)
売り上げランキング: 105,133

ボッシュ製らしいですが1620円。

安いですが、これもきっと中国製だと思います。なのでAliExpressで同じようなものを探すと、
これ↑なんかは、一個155円(送料無料)
いちおう使っているレーザーの波長をチェックして、それに対応するものを選ぶ必要があります。
レーザーの種類、出力数によっては、品質の高いものを選んだほうがいいと思います。それと、安いものだと完全にレーザーを遮光するというわけでもないので、レーザーゴーグルを装着したからと言って直接レーザー光を見ないようにしたほうがいいと思います。遮光というよりは、あくまで軽減ということなので。

前述のレーザーモジュールの場合450nmなのでその波長をカバーしているかどうか?それと安全性の基準となるOD値(Optical Density:光学濃度)が書いてあるはずなので、それもチェック。書いてないようなものは買わない方がいいと思います。
この表↑を見るとOD値が大きいほど安全という感じです。

それと、ゴーグル以外にもレーザー遮光アクリル/シートなどあるといいかもしれません。ただしこれも結構高いです。
AliExpressで安く売ってるかと思うと、そうでもありません。
これ↑は、Laser Safety Windowという厚さ5mmのアクリル板ですが、50x50mmサイズで2203円(送料込み)もします。

他には、アメリカのJ-Tech Photonicsにある以下のもの。
12インチ角(約300mm角)で$16.99しかしないのですが、送料が$63.61もするので、8000円くらい。このサイトに利用例がありますが、以下のようにするだけでもかなり目に入ってくる量は減ると思います。

使っているレーザーの焦点距離が素材まで50mm程度なので、できればレーザーモジュール下の部分を箱状に囲ってしまうともっといいはず。そうすれば、いちいち怖がらずにどんどん作業できそうです。

追記:
最終的には以下のように、安価なレーザー用ゴーグルを材料にシールドを自作しました(そのときの内容はこちら)。


レーザー用ソフトなど:
Inkscapeで描画しGコードを生成するには、
Laserweb3(Grbl1.1対応のブラウザベースGコード生成+送信アプリ)
があります。
特にLaser Tool Plug-inは、Inkscapeのプラグインであり、レーザー加工機用につくられているのでInkscapeで描画しつつ、それをすぐにGコード変換できるので使いやすいと思います。あるいは、Laserweb3ならInkscapeで描いた図面等を取り込んだ後、Gコード生成とGコード送信が一つのアプリで可能なので便利です。
レーザードライバのTTL端子への出力値や刻印加工の設定も簡単にできそうです。
Arduino+grbl0.9(あるいは1.1)を使っている場合は出力値0〜1000の値を入力します。1000で100%、500で50%、0で0%。

レーザーの焦点距離:
きちんとした製品であれば、マニュアルなどに焦点距離について書いてあるはずですが、上記の中国製レーザーモジュールの場合、当然マニュアルなんかはついてきません。なので自力で探し出すことになります。もしくは買ったショップに問い合わせてみてもいいかもしれませんが、商品を売ってはいるものの、その商品の細かな内容についてまで知っているとは限りません。
設定が悪いとせっかく高出力のレーザーであっても半分の能力しか発揮できないということもあり得ます。まあ仕方ないですが、それも経験や学習から向上させていくしかありません。

焦点を合わせるには2カ所調整する必要がありそうです。
まず、先端部分にレンズが内蔵されたアルミチューブがあります。これを回すと前後に位置を調整できます。

こんな感じで飛び出してきます。中のレーザーダイオードからレンズまでの距離を合わせる必要がありそうです。
まず、レンズチューブ先端と素材を50mmくらい離して照射してみて、一番光点が小さくなるように調整します。もちろんゴーグルは必須です。できれば、出力を下げてやったほうがいいのですが。
ただ問題は、このレンズチューブを緩めると(飛び出させると)、ネジ山のあそびが多すぎるせいか、すこしぐらぐらしてしまいます。締め付けるために薄型ナットを取り付ける方法もあるのですが、M9ピッチ0.5mmという特殊なナットが必要になります。そのようなもので管用ナットというのがあるのですが、国内だとM9ピッチ0.75mmが主流のようでなかなか見つけるのが大変です。それならそのナット(締め付ける部品)すら自作したほうがいいかというと、


いちおうAmazonでもM9ピッチ0.5mm(1300円+送料880円)のタップは購入できます。しかし、たかがナット一個のために2180円も費やすのももったいないというのであれば、

こんな感じで、プラスチックの板などに径8.5mmくらいの穴をあけてから、アルミのレンズチューブ根元についているネジ山を利用して、タッピングしてしまうという手があります。そうすればプラスチックの板がレンズチューブを締め付けるナットになってくれるというわけです。これでレンズチューブを飛び出させてもぐらぐらしなくなります。
こんな方法で、内部のレーザーダイオードとレンズの距離を合わせたら、つぎは素材との距離を計測します。およそ50mmくらいだと思うのですが、レーザーの種類やレンズの種類によっても異なるかもしれないので、いちおう距離10mmから100mmくらいまでを5mm間隔くらいで照射実験します。

これが実験結果ですが、下のほうに手書きしてある数字が距離(mm)です。つまり左側10mmから徐々に5mmずつ離していって照射してみたということです。これを見ると分かるように、距離50mmが一番線がシャープになっています。50mmから離れるほど、線が太くなり、さらには線が薄くなっていくのが分かるかと思います。これは5mm間隔でやっていますが、さらに今度は45mmから55mmの間を0.5mm間隔などで実験すれば、さらにもっと正確な焦点距離がわかるはずです。という感じで焦点距離を探すように調べてみるといいと思います。

追記:
その後、0.1mm単位で焦点距離を調べてみると46.5〜48.5mmくらいでした。肉眼で見る限りでは約2mm前後のずれがあってもシャープさが鈍る感じではありませんでした。2mmの焦点深度があるような感じです。

いちおう以下に、10mmから100mmまで(5mm間隔、合計20本)の実験につかったGコードを書いておきます。
Arduino UNO+CNC ShieldV3.5+grbl0.9jで、PWM機能を使ってレーザードライバのTTL端子へつないで出力調整できるようにしてあります。尚、実験レポートは前回の投稿に書いてあります。

M05 S0
G90
G21

G1 F600
G1  X10 Y60 Z10
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X10 Y10 Z10
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X15 Y60 Z15
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M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X15 Y10 Z15
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X20 Y60 Z20
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X20 Y10 Z20
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X25 Y60 Z25
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M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X25 Y10 Z25
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X30 Y60 Z30
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X30 Y10 Z30
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X35 Y60 Z35
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X35 Y10 Z35
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X40 Y60 Z40
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X40 Y10 Z40
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X45 Y60 Z45
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M03 S1000
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G1 F400.000000
G1  X45 Y10 Z45
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X50 Y60 Z50
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M03 S1000
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G1 F400.000000
G1  X50 Y10 Z50
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M05 S0

G1 F600
G1  X55 Y60 Z55
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X55 Y10 Z55
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M05 S0

G1 F600
G1  X60 Y60 Z60
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X60 Y10 Z60
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M05 S0

G1 F600
G1  X65 Y60 Z65
G4 P0 
M03 S1000
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G1  X65 Y10 Z65
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M05 S0

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G1  X70 Y60 Z70
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M03 S1000
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G1 F400.000000
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G1 F600
G1  X75 Y60 Z75
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M03 S1000
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G1  X75 Y10 Z75
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M05 S0

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M03 S1000
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G4 P0 
M05 S0

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G1  X85 Y60 Z85
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M03 S1000
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G1  X85 Y10 Z85
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M05 S0

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G4 P0 
M03 S1000
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G1 F400.000000
G1  X90 Y10 Z90
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X95 Y60 Z95
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X95 Y10 Z95
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X100 Y60 Z100
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X100 Y10 Z100
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X105 Y60 Z105
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X105 Y10 Z105
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1 X0 Y0
M30

CNCマシン:レーザー焦点距離計測実験

レーザーのほうの準備が整ったので早速実験開始です。今回はレーザー切断するための、対象との焦点距離を計測します。レーザーは5.5W 450nmのブルーレーザーです(約17000円でAliExpressより入手)。
50mmの線を5mm間隔で20本引き、一本引くことにZ軸を5mmずつあげていくという実験です。Inkscape+Laser Tool Plug-inで5本くらい線を引いて、Gコードとして吐き出したものをTextEditで開いて、Z軸が5mmずつ上がる部分を書き足しました(以下6行目:G X10 Y60 Z10のZ10が5ずつ増えていき、Xも5ずつ増える)。最初の3行以降、9行ずつ一本の線を引く内容になってます。

M05 S0 (レーザー停止、出力0)
G90 (絶対座標設定)
G21 (単位mm設定)

G1 F600 (フィード600mm/min速度設定)
G1  X10 Y60 Z10 (座標X=10,Y=60,Z=10へ移動)
G4 P0 (待ち時間0)
M03 S1000 (スピンドル/レーザーON、出力100%)
G4 P0 (待ち時間0)
G1 F400.000000 (フィード400mm/min速度設定)
G1  X10 Y10 Z10 (座標X=10,Y=10,Z=10へ移動)
G4 P0 (待ち時間0)
M05 S0  (レーザー停止、出力0)

G1 F600
G1  X15 Y60 Z15
G4 P0
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X15 Y10 Z15
G4 P0
M05 S0

・(中略)

G1 F600
G1  X105 Y60 Z105
G4 P0
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X105 Y10 Z105
G4 P0
M05 S0

G1 F600 (フィード600mm/min速度設定)
G1 X0 Y0 (原点へ移動)
M18 (プログラム終了) M30(プログラム終了)

こんな感じのGコードです。合計20本の線。M03 S1000でレーザー出力最大です。
追記:
最後の行にある「M18」は、grblではエラーがでるようです。M30に書き換えたほうがよさそうです。これについてはこちらへ


シナランバーコア合板に照射します。先端のレンズチューブからの距離10mmから100mmまでを計測。
bCNCで見るとこんな感じ。階段のように上がって行く感じです。以下(なんか途中からちょっとずれてるけど大丈夫でしょう。あとで確認すると一段ずれていたようです)。

ということで、読み込ませたGコードをスタート。


実験開始です。レーザー防護ゴーグルをしていたので、どんな感じの写真になっているかはそのときは分かりません。危険な光がでてます。

いちおう順調。危険なので、あまり見てません。単純な線なので面白くはないです。
数分かかって終了です。

ボケボケですが、よくみると50(距離50mm)が、やたらとシャープな線になっています。50を中心として線が太くなって、さらには薄くなっているのが分かります。これはどうみても焦点距離は50mmという感じ。予想は当たりました(このレーザーが届いたときに試しに合板に照射してみたとき定規ではかったら、大体50mm前後がよく燃えてたので)。49mmか51mmか?というほど厳密にやらなくてもよさそうです。やってもいいのですが(その実験内容はこちら)、以下のもうひとつの焦点調節もあります。

実はこの実験をするまえに、レーザーのレンズ部分を多少調整しておきました。
先端のアルミチューブのなかにレンズがはいっています。これを回すと前後に動いて焦点調節できるのですが、前回投稿した内容のように、かなりガタがあり、いちおう内部にはバックラッシュ対策としてスプリングが入っていましたが、それでもなんかゆるゆるな感じです。なのでプラスチック板を間にはさんでぐらつかないようにしました。前回手動で焦点を合わせたときだいたい2mmくらい出っ張る感じだったので、このプラスチックの板の分だけ前に出ているという感じです。

レンズチューブを外すとこんな感じ。いちおうプラスチックの板はレンズチューブのネジ山(M9ピッチ0.5mm)でタッピングしてあるので、レンズチューブを締めることができます。焦点の合わせ方はけっこう適当で、回してみて行き過ぎたら戻るという繰り返しで決めています。照射してみて、見た目できるだけ細い光点になるようにしただけです。
こっちのレーザー本体の焦点もいちおう大体合わせてから、照射する物体との距離を合わせる感じになります。
今回の実験で大体は分かったので、試しにフェルトも切ってみることに。レーザー先端からフェルトまでの距離は50mmにしておきました(実験結果から)。

先ほどの距離実験の合板の上にフェルトをのせて切ったのですが、F300 S1000(5.5W 100%)で切ってしまったので出力が強すぎたようです。下の合板に貫通して普通に切れ目が入っています。

F300をF600くらいにもっと速くするか、レーザーの出力を50%くらいにしてもフェルトなら切れそうです(強すぎると焦げてしまう)。フェルトは木材と違ってあっさりきれてしまいます。とりあえず、これでかなり複雑な模様のフェルト切断も可能になったので(当初の目標)、さっそく使っていきたいと思います。

ということで今回の実験は終了。あとは切断する材料に対するちょうどいい出力値やスピードを見つけて行く感じでしょうか。
それとレーザ用のスイッチを手元につけないといけません。

前々回のトリマを使っての合板の切断と今回のレーザー切断が一応確認できたので一安心です。

関連:
レーザー焦点距離計測実験その2(より詳細な実験)

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